「解体工事の立会いって、わざわざ休みを取ってでも行くべき?」「何を確認すればいいの?」――自宅や建物の解体を控えている方なら、誰もが一度は抱く疑問です。
実は解体工事の立会いは法的な義務ではありません。
しかし、追加費用やトラブルを防ぐには、特定のタイミングでの立会いが極めて重要です。一般的に、追加費用の発生率は30~50%にも上り、その多くが事前確認不足に起因しています。
この記事では、立会いが必要なタイミングと当日確認すべき具体的なチェックポイントを解説します。
立会いは法律で義務づけられているのか?
結論から言えば、立会い自体に法的義務はありません。
ただし、大気汚染防止法では建物所有者(施主)に対し、アスベスト調査結果の説明を受ける責任や届出義務が課されています。立会いは「施主としての責任を果たすための確認行為」という位置づけです。
では、なぜ立会いが推奨されるのでしょうか?
解体範囲の認識相違、残置物の扱い、境界線の確認不足、これらが追加費用や近隣トラブルの主な原因となっているためです。特に見積もり段階での曖昧さが、すべてのトラブルの起点になります。
タイミング別:立会いの必要度はどれくらい?
立会いのタイミングによって、重要度は大きく異なります。
| タイミング | 必要度 | 理由 |
|---|---|---|
| 見積もり時 | 契約前の認識合わせが追加費用防止の鍵 | |
| 工事中(通常時) | 頻繁な立会いは不要 | |
| 工事中(異常時) | 地中障害物・石綿発見時は施主確認が必要 | |
| 完了時 | 追加費用・廃棄物処理の最終確認 |
見積もり時の立会いが事実上必須な理由
見積もり時の立会いは最重要です。
契約前に解体範囲、残置物の扱い、追加費用が発生する条件を明確にしておかないと、後の工程で修正が困難になります。
見積書では「一式」表記よりも「数量×単価」で記載されている方が透明性が高く、追加費用の算定根拠も明確です。「一式」表記自体は違法ではありませんが、内訳が不明瞭だと後でトラブルになりやすいのです。
工事中に立会いが必要になるのはどんな時?
通常の工事進行中は頻繁な立会いは不要です。
しかし地中障害物や石綿(アスベスト)が新たに発見された場合は、施主の確認が必要になります。
石綿とは:建材に含まれる有害物質で、飛散すると健康被害を引き起こします。
石綿が見つかった際は、工事を一時中止し、自治体への報告と再調査が法令で義務づけられています。この対応を怠ると、施主も民事・刑事責任を問われる可能性があります。「知らなかった」では免責されません。
完了時の立会いで確認すべきこととは?
完了後の立会いでは、以下を確認します。
- 工事範囲が契約通りか
- 追加費用の根拠は妥当か
- 廃棄物が適正に処理されたか
特にマニフェスト(廃棄物管理票:廃棄物が適正に処理されたことを証明する書類)を必ず受け取ってください。施主責任は完了後も残るため、証拠資料の保管が重要です。
追加費用トラブルを防ぐ当日チェックポイント
追加費用が発生する最大の要因は地中障害物と石綿です。
特に築年数が古い建物ほど、予期せぬ埋設物や建材中のアスベストが発見される確率が高まります。
見積もり時の立会いでは、必ず以下を確認しましょう。
業者の信頼性チェック
- 建設業許可または解体工事業登録を持っているか
- 見積書に追加費用が発生する条件が明記されているか
- 近隣への説明は誰が行うのか
これらを口頭だけでなく、書面で残しておくことがトラブル防止の鍵です。
悪徳業者を見抜くポイント
- 見積もりに「一式」表記ばかりで内訳が不明
- 異常に低価格(相場を大きく下回る)
- 説明が不十分で質問に答えられない
価格だけで判断せず、相見積もりを取って比較することが大切です。
立会えない場合はどうすればいい?
遠方に住んでいる、仕事が休めないなど、どうしても立会いが難しいケースもあります。
そんな時はビデオ通話での確認や代理人の派遣といった方法でリスク管理が可能です。
ただし、見積もり時の確認だけは省略できません。オンラインででも必ず実施しましょう。
また、許可を持つ信頼できる業者を選ぶことで、立会い回数を減らせます。無許可業者に発注した場合、施主にも責任が発生する可能性があるため、許可証の確認は必須です。
さらに、大気汚染防止法に基づく自治体の立ち入り検査制度も、第三者による監視として活用できます。
【完全版】当日焦らないためのチェックリスト
立会い当日に確認すべき項目を、タイミング別にまとめました。
見積もり時の必須チェック項目
- 解体範囲の境界線を現地で確認(隣地との境界は特に注意)
- 残置物の扱い(撤去するのか、残すのか)
- 追加費用が発生する条件の明記
- 業者の許可証・登録証の確認
- 近隣説明の担当者(業者が行うのか施主が行うのか)
- 工事中の連絡体制(異常時の報告方法)
完了時の最終チェック項目
- 契約通りの範囲が解体されているか
- 追加費用の内訳と根拠資料
- マニフェスト(廃棄物管理票)の受領
- 残置物や廃材が残っていないか
- 近隣から苦情が出ていないか
写真やビデオで記録を残しておくと、後のトラブル時に証拠として有効です。
まとめ:立会いはトラブル回避の最良の手段
解体工事の立会いは義務ではありませんが、見積もり時と完了時の立会いは強く推奨されます。
特に見積もり段階での認識合わせが、追加費用や近隣トラブルを防ぐ最大のポイントです。
万が一立会えない場合でも、オンライン確認や代理人対応、信頼できる業者選びによってリスクは軽減できます。
この記事のチェックリストを参考に、当日焦ることなく、安心して解体工事を進めてください。

