解体前の引込線は、電気の使用停止だけで撤去まで終わるとは限りません。まず解体業者に着工日と残す電源の有無を確認し、契約中の電力会社へ「建物解体に伴う廃止と、引込線・メーター撤去」を伝えます。
電柱本体を動かしたい場合は、プレートの会社名と電柱番号を撮影し、所有者へ別に相談します。電話線や光回線も電気とは別設備です。電線を自分で切断したり、撤去完了前に重機を入れたりしてはいけません。
申込期限は地域や設備状況で異なります。公式案内には1週間前や2週間前という例がある一方、移設や特殊な撤去は長期化する場合もあります。解体日が決まったら早めに窓口を確認し、設備ごとの完了日を解体業者と共有しましょう。
電柱・引込線の撤去・移設は設備ごとに連絡先が違う
最初の窓口は、設備の種類と電気契約の状態で変わります。次の表で自分の状況に近い行を確認してください。
| 設備・状態 | 最初の窓口 | 依頼内容 | 着工前の確認 |
|---|---|---|---|
| 電気を契約中 | 契約中の小売電気事業者 | 契約廃止と解体撤去 | 引込線・メーター撤去 |
| 電気は廃止済み | 地域の一般送配電事業者 | 解体に伴う設備撤去 | 撤去日と完了 |
| 電柱・支線を移設 | プレート記載の所有者 | 移設可否の現地調査 | 位置・費用・日程 |
| 電話・通信線 | 契約先または設備所有者 | 解約と物理撤去を確認 | ケーブルの撤去 |
| 自営柱・建物側配線 | 解体業者・電気工事店 | 所有区分と工事範囲 | 見積書の撤去対象 |
解約を受け付ける会社と、現地で設備を外す会社が同じとは限りません。別の会社や部署を案内されたら、受付番号・担当部署・予定日をメモしてください。次の確認先が分からなくなるのを防げます。

解体着工までの手順は4段階
連絡の早さだけでなく、依頼内容と完了確認を分けることが大切です。着工日から逆算して、次の順で進めます。
着工日、引込線・メーターの撤去期限、仮設電源を使うか、電柱や支線が重機の動線に掛かるかを確認します。
電柱全体、会社名と番号、メーター番号を撮影します。検針票や請求画面から契約名義と供給地点特定番号も探します。
電気契約の廃止、引込線・メーター撤去、電柱移設、通信線撤去を分けて依頼します。希望日だけでなく解体日も伝えます。
受付完了だけで着工可と判断せず、引込線、メーター、通信線の残置を確認します。完了日を解体業者へ共有して工事日を確定します。
電柱を移設しない場合でも、引込線撤去の日程調整には余裕が必要です。移設や共架設備の調整がある場合は、通常の契約廃止より先に相談を始めます。
引込線撤去は電気契約の廃止だけで終わらない
電気契約の廃止は料金契約の手続きです。引込線や電力メーターを建物から外す作業とは、確認する内容が異なります。
契約中と廃止済みで最初の窓口が変わる
電気を契約中なら、まず契約中の小売電気事業者へ連絡します。「使用停止」だけでなく、建物を解体するため引込線とメーターを撤去したいと明確に伝えてください。
すでに契約を廃止している場合は、地域の一般送配電事業者が窓口になる例があります。ただし受付方法は地域で異なるため、所在地を伝えて公式案内を確認します。
新電力と契約中でも、最初から送配電会社へ直接申し込むとは限りません。契約先が撤去情報を送配電会社へ連携する場合があるため、まず契約先の案内に従うのが確実です。
連絡前に住所・名義・設備番号・希望日をそろえる
住所や名義が分からないと、対象の建物を探す確認や現地作業の日程調整に時間がかかります。分かる範囲で次の項目を一つのメモにまとめましょう。
引込線撤去の連絡前にそろえる情報
- 解体する建物の住所と、現地で連絡が取れる人
- 現在または廃止前の契約名義
- 供給地点特定番号、メーター番号、契約番号のうち分かるもの
- 撤去希望日と解体着工日
- 電柱の会社名・番号が分かる写真
- 太陽光発電、仮設電源、共同使用設備などの有無
設備番号が分からなくても、住所や以前の契約名義から確認できる場合があります。分からないことを推測で埋めず、写真と今の状態を窓口へ伝えてください。
電柱本体の移設は所有者の現地調査から始まる
引込線を外すだけなら電柱本体は通常その場に残ります。駐車場の出入口や重機の進入路に支障があり、電柱や支線そのものを動かしたいときは、撤去申込とは別に移設を相談します。
プレートと電柱番号を撮影して所有者を確認する
電柱には、電力会社やNTTなどの会社名と番号が記載されたプレートがあります。電柱全体、各プレート、番号、移設を希望する周辺位置を、道路上から安全に撮影します。
複数のプレートや電線がある場合、見た目だけで所有者を決めないでください。写真と住所を各窓口へ伝え、電柱本体の所有者と、同じ電柱に付いている他社の線や機器を確認します。
費用と工期は移設理由・候補位置・共架設備で変わる
電柱移設では、所有者が現地を確認し、移設できるか、候補位置はどこかを検討します。道路、隣地、支線、変圧器、通信線などが関係すると、許可や他社調整が増えることがあります。
費用負担が生じるかどうかも、移設理由と工事内容による個別判断です。全国共通の相場で予算を決めず、現地調査後に工事範囲、負担額、支払時期、完了見込みを書面で確認しましょう。
一般の引込線撤去に比べ、電柱移設は設計や移設先の調整が加わります。解体直前ではなく、配置計画や重機動線が見えた段階で相談することが重要です。

電話線・通信線と自営柱も別に確認する
建物へ入る線は電気だけとは限りません。電話線・光回線は電気と別に撤去を確認します。自営柱と建物側の配線も、誰の設備かを分けて確認してください。
通信契約の解約とケーブル撤去を分ける
電話やインターネットの解約だけで、屋外ケーブルが自動撤去されるとは限りません。契約中の通信事業者へ解体予定を伝え、建物へ入る線と端末設備の撤去が必要か確認します。
NTTの電柱・ケーブルでも、移設と使わなくなった設備の撤去は受付が分かれる場合があります。東日本・西日本の地域、現在の利用状況、解体日を伝えて適切な窓口を案内してもらいます。
自営柱と建物側配線は工事範囲を見積書で確認する
敷地内の細い引込柱や、建物側の配線・分電盤などは、事業者所有の引込線と担当が異なることがあります。どこまでが電力・通信事業者の設備か(責任分界点)を確認し、解体業者または電気工事店へ撤去範囲を尋ねます。
「電気設備一式」のような曖昧な見積項目では、電柱、引込線、自営柱、屋内配線のどこまで含むか分かりません。設備名ごとに撤去担当と費用を分けて記載してもらうと、追加工事を防ぎやすくなります。
電柱・引込線の撤去で避けること
設備の種類が分からないときは、線に触れず、作業を止めて窓口へ連絡します。次の行動は避け、設備所有者または契約先へ状況を伝えてください。
- 電気を止めたという理由だけで、引込線や通信線を自分で切る
- 撤去受付の完了だけで、現地作業も終わったと判断する
- 垂れ下がった線や、外れかけた設備に近づいて確認する
- 電柱移設の可否・費用・日程が未確定のまま解体日を固定する
線が垂れ下がっている、火花や焦げた跡がある、車や重機が接触した場合は近づきません。周囲を離れ、設備の表示や契約情報を手がかりに、電力会社・通信会社の緊急窓口へ連絡します。
解体前の電柱・引込線で迷いやすい疑問
新電力と契約中でも送配電会社へ直接連絡しますか?
判断点を先に確認します。まず契約中の小売電気事業者へ、解体に伴う契約廃止と設備撤去を伝えます。地域や契約状態で申し込みの流れが異なるため、案内された送配電会社・担当部署・受付番号を控えて進めてください。
電柱プレートが読めないときはどうしますか?
電柱へ近づきすぎず、道路上から全体とプレート部分を撮影します。地域の送配電会社やNTTの設備受付へ住所と写真の内容を伝え、所有者と相談先を確認してください。
撤去日まで建物の電気を使えますか?
使用停止日と設備撤去日は、契約先・撤去担当・解体業者で調整します。片付けや仮設電源に電気が必要かを先に解体業者へ確認し、希望する最終使用日と解体日を窓口へ伝えましょう。
着工前に撤去完了をそろえて工事日を確定する
解体前は、電気契約の廃止、引込線・メーター撤去、電柱移設、通信線撤去を一つの手続きとして扱わないことが大切です。設備ごとに受付先、担当者、作業予定日、完了日を一覧にします。
最後に現地を解体業者と確認し、残っている線や設備がないか、重機動線に支障がないかを共有してください。すべての撤去完了を確認してから着工日を確定することが、事故と工期の手戻りを防ぐ基本です。

