住宅兼店舗の解体を検討する際、「見積もりより最終的に高くなった」という声は少なくありません。
複雑な電気設備や配管、法的な手続きなど、一般住宅とは異なる要素が絡むため、見積もりの段階で何を確認すべきかを知っておくことが費用を抑える鍵となります。
この記事では、住宅兼店舗の解体で増えがちな費用項目と、見積もり時に押さえるべき5つの注意点を具体的に解説します。
もくじ
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なぜ住宅兼店舗は解体費用が膨らみやすいのか
住宅兼店舗の解体費用がブレる最大の原因は、設備の複雑さと事前手続きの多さにあります。
店舗部分には業務用の電気設備や特殊な配管が設置されており、解体前に電力会社への撤去申込みが必要です。一般的に撤去には最低でも1週間前の申込みが求められ、場合によっては長期化することもあります。
また、一定規模以上の建物ではアスベスト事前調査とその報告が法律で義務付けられています。解体床面積が80㎡以上の場合、調査結果を都道府県と労働基準監督署に報告する必要があり、この手続きにも時間と費用がかかります。
これらの要素が見積もり段階で十分に考慮されていないと、工事中に追加費用が発生する原因となるのです。
見積もりで費用を抑える5つの注意点
1. 工事範囲と責任の所在を明確にする
見積書では、どこからどこまでが工事範囲なのかを具体的に確認しましょう。
国土交通省のガイドラインでは、施工場所、責任範囲、工程、費用負担区分などの明示が求められています。特に住宅兼店舗では、残置物の撤去や地中障害物の処理など、未確定要素が多くなりがちです。
未確定事項がある場合は「未確定である」と明記してもらい、曖昧なまま契約を進めないことが重要です。
2. 「一式」表記を避け、内訳を求める
「解体工事一式」のような曖昧な表記は避け、数量・単価・作業内容の内訳を明示してもらいましょう。
一式表記では、何にどれだけの費用がかかっているのか分からず、複数社での比較も困難になります。同じ条件で複数の業者から見積もりを取り、項目ごとに比較できる状態にすることが大切です。
3. 追加工事のルールを事前に決める
工事中に想定外の事態が発生した場合の追加費用の算定方法を、契約前に合意しておきましょう。
建設業法関連の指針では、追加工事は着工前に書面で変更契約を結ぶことが原則とされています。特に地中埋設物や予期しない設備の発見など、不確定要素については、発生時の単価や算定方法をあらかじめ取り決めておくことでトラブルを防げます。
4. 法定手続き費用を別項目にする
アスベスト調査や報告手続きなど、法律で定められた費用は独立した項目として見積もりに記載してもらいましょう。
これらを「解体工事一式」に含めてしまうと、実際にどれだけの費用がかかっているか分からなくなります。調査費用、報告手続き費用、それに伴う工程の待ち期間なども分けて整理することで、適正な金額かどうかを判断しやすくなります。
5. 電気撤去の手続きを工程に組み込む
解体前の電気設備撤去申込みを工程表に明記してもらいましょう。
電気設備が残ったままでの解体作業は感電の危険があり、送配電事業者への撤去申込みには少なくとも1週間前の手続きが必要です。この手続きが工程に含まれていないと、工事の待機や再手配が発生し、余分なコストがかかる可能性があります。
誰が、いつまでに、何を申し込むのかを明確にしておくことが大切です。
まとめ:明確な条件設定が費用削減の鍵
住宅兼店舗の解体費用を抑えるには、見積もり段階での条件の明確化が何より重要です。
工事範囲、内訳、追加工事のルール、法定手続き、電気撤去の工程。これら5つのポイントを押さえることで、後から発生する追加費用のリスクを大きく減らすことができます。
複数の業者から同じ条件で見積もりを取り、項目ごとに比較することで、適正な価格とサービス内容を見極めましょう。
事前の準備と確認が、安心できる解体工事につながります。

