【徹底解説】解体工事と撤去工事の違いとは?「建物解体」と「付帯撤去」を完全整理!

家屋の取り壊しを検討する際、見積書に「解体工事」と「撤去工事」の両方が記載されており、混乱した経験はありませんか?

実は、この2つの工事には明確な違いがあり、見積項目が分かれているのには法的な理由と実務上の必然性があります。

この記事では、解体工事と撤去工事の定義から、付帯工事として扱われる範囲、そして見積書の正しい見方まで、わかりやすく整理して解説します。

解体工事と撤去工事、定義の違いは何?

一般的に、解体工事とは建物本体を分解・取り壊す工程を指します。

建設リサイクル法(資材の再利用を定めた法律)や建設業法の対象となる法定工事で、延床面積(各階の床面積の合計)が80㎡以上の建物を解体する場合は、行政への事前届出が義務づけられています。

請負金額500万円以上なら建設業許可、500万円未満でも解体工事業登録が必要です。

一方、撤去工事は対象物を残らず除去する工程全般を指す言葉です。

辞書的には、解体が「分解すること」であるのに対し、撤去は「取り除いて無くすこと」とされています。実務では解体と撤去が混同されやすいのですが、見積書では建物本体の解体工事と、それに付帯する撤去工事は明確に区別されます。

なぜ見積で「建物解体」と「付帯撤去」が分かれているのか?

見積書で建物本体の解体工事と付帯撤去工事が別項目になっているのは、建設業法における「付帯工事」の定義に基づいています。

付帯工事とは:主工事に不可欠な従たる工事のみを指し、単独で成立する工事は含まれません。

建物本体の解体は主工事として扱われますが、敷地内の塀や庭木、物置などの撤去は付帯工事として別枠で積算されます。

これらは建物解体とは独立した対象物であり、数量や状態によって費用が大きく変動するため、見積項目を分離することで費用の透明性が確保されるのです。

建物解体と付帯撤去の費用相場はどう違う?

建物本体の解体費用と付帯撤去工事では、費用の算出方法が異なります。

建物本体の解体費用は、構造別に坪単価の目安があります。

構造坪単価の目安
木造3~5万円
鉄骨造4~6万円
RC造(鉄筋コンクリート造)6~8万円

これに対し、付帯撤去工事は個別積算となり、場合によっては本体解体費を超えることもあるため、見積書で分けて記載されるのが業界の標準です。

付帯撤去工事として扱われる代表例

付帯撤去工事として見積に計上される代表的な項目には、以下のようなものがあります。

敷地内工作物の撤去

  • ブロック塀、フェンス、庭石、庭木
  • カーポート、物置、倉庫など

残置物の処分

  • 家具、家電、生活用品など建物内に残された物品

これらの撤去費用は、対象物の大きさ・材質・数量によって変動します。

特に注意が必要なのは残置物処分で、一般的に工事前の残置物処分責任は施主側にあるとされています。

業者に処分を依頼すると別途費用が発生するため、可能な範囲で事前に整理すれば数万円から数十万円のコスト削減が可能です。

見積書で必ずチェックすべきポイントは?

解体工事の見積書を受け取ったら、本体解体と付帯撤去が明確に分離記載されているかを最優先で確認してください。

項目が曖昧な見積書がトラブルの主要因となっています。

具体的な確認項目

各項目に「含む/含まない」の表記があるか、「要協議」といった曖昧な表現が多用されていないか、付帯工事の対象物と数量が明記されているかを確認します。

「要協議」表記が多い見積書は、後から追加費用が発生する可能性が高いため注意が必要です。

坪単価だけで判断するのは危険

坪単価だけで総額を判断するのは誤解の元です。

広告などで表示される坪単価は建物本体のみの価格で、付帯工事費や諸経費は別途加算されます。安価な坪単価を提示する業者ほど、内訳の詳細確認が不可欠です。

見積書の基本構成
  • 建物本体解体費
  • 廃棄物処理費
  • 重機回送費
  • 諸経費
  • 付帯工事費

付帯工事費の内訳が不明瞭な場合、追加請求のトラブルにつながる可能性があるため、必ず詳細を確認しましょう。

信頼できる業者を選ぶ基準

信頼できる業者を選ぶには、以下の3点を基本条件として確認しましょう。

  1. 建設業許可または解体工事業登録の有無
  2. 現地での詳細見積の実施
  3. 賠償責任保険への加入

口頭見積のみで契約を迫る業者は、高リスクと考えるべきです。

まとめ:解体工事と付帯撤去の違いを理解して適正な見積を

解体工事と撤去工事の違いは、建物本体を対象とする主工事か、それに付帯する従たる工事かという点にあります。

見積書で項目が分かれているのは、法的定義と費用算定の透明性確保のためであり、決して業者が金額を水増ししているわけではありません。

見積書では本体解体と付帯撤去が明確に分離され、各項目の内訳が詳細に記載されていることが信頼性の証です。

特に付帯工事は現場の状況によって費用が大きく変動するため、事前の現地調査と詳細な見積書作成を行う業者を選ぶことが、トラブル回避の第一歩となります。

解体工事を依頼する際は、これらの違いを理解した上で、複数社から相見積を取り、内訳の明確さと業者の信頼性を総合的に判断することをお勧めします。